VDI環境のストレージ選定は常に悩みの種。
パフォーマンス、容量、コスト、管理性…全てを満たすのは難しい。
当院でも2014年のHIS(病院情報システム)仮想化の際に、物理共有ストレージではなく、VMware vSAN(当時はVirtual SAN)を採用しました。各vSphereホストの内蔵ディスク(SSDとHDD)を束ねて仮想的な共有データストアを構成する仕組みです。
最大のメリットはコストとシンプルさ。高価な専用ストレージやFCネットワークが不要になり、初期投資を大幅に抑えられました。ホストを追加すれば容量もパフォーマンスもスケールアウトできる点も魅力です。SSDをキャッシュとして利用することで、ログオンストーム時のIOPSにも十分対応できています。
ただし、運用上の注意点も。ホスト障害時のリビルド(データ再保護)によるネットワーク負荷や、ディスク障害時の交換手順、互換性リスト(HCL)の確認など、従来のストレージとは異なる知識が必要です。とはいえ、総じてライフサイクルコストの削減と管理の簡素化メリットは大きいと感じています。