仮想化でASOBO
医療機関でプログラマー、SEを20年以上やっている上級医療情報技師(Senior Healthcare Information Technologist)・診療情報管理士です。
仮想化歴は15年以上になります。(VMware vExpert)
実際に使ってみての感想やトラブル時に役に立ったTipsなどの紹介。運用目線で記事を書いていきます。(VMware Horizon View,VDI,HCI,NSX,ThinApp,インスタントクローン,vSphere,Carbon Black)
少しでも参考になることがあれば幸いです。2024-2025 Omnissa TECH INSIDERです。
たまに趣味の記事'(釣り、ミニ四駆、ゲーム配信、DIY)などを公開しています(笑)
※本blogの内容は個人的な見解や検証結果ですので、あくまでも自己責任において参考にしてください。
2025年11月25日火曜日
次期電子カルテ導入を見据えた、仮想化基盤の「高速化・拡張」とEDRによるセキュリティ対策
2025年11月21日金曜日
「侵入前提」時代の最適解?Carbon Black Cloud導入後の運用変化と本音
境界防御だけでは防げない、はもはや常識。
当院も「侵入前提」の対策としてEDR導入を検討し、最終的にVMware Carbon Black Cloud
Workloadを選びました。
決め手はVDI環境、特にInstant Cloneとの親和性です。マルウェア感染を100%防げない以上、感染後の迅速な検知と封じ込め、そして影響範囲の特定が重要。Carbon Blackは脅威の振る舞いをスコアリングし可視化してくれるため、アラートの優先順位付けが容易になりました。以前は膨大なログからインシデントの兆候を探すのに苦労していましたが、今は管理コンソールで一目瞭然。
怪しい挙動があれば、その仮想マシンをネットワークから隔離したり、詳細調査を開始したりといったアクションを迅速に取れます。また、Instant Cloneのリフレッシュ機能と組み合わせることで、万が一侵入されてもログアウトで初期化されるため、ランサムウェア等の潜伏・発症リスクを大幅に低減できる点も運用上大きなメリットです。SaaS型である点も、管理サーバー構築の手間が省け、運用負荷軽減に繋がっています。
2025年11月7日金曜日
EDR選定、決め手は?Carbon Blackと他社製品(Deep Security等)を運用視点で考える
EDR導入検討時、私も当院の環境にどれがマッチするか複数の製品を比較しました。
VMware Carbon
Black Cloud Workloadの他に、Trend Micro Deep Securityなども有力な候補でした。rend Micro Deep Securityは現状も使っています。
各製品に特長がありますが、最終的にCarbon Blackを選んだ理由は、やはりVMware環境との親和性、特にHorizon VDI(Instant Clone)との連携の深さです。仮想環境に特化した保護機能や、vCenterとの連携による管理の容易さも魅力でした。また、NGAV機能も統合されており、単一エージェントでEPP+EDRを実現できる点も運用負荷軽減に繋がると判断しました。
一方、Deep Securityは、物理/仮想/クラウド混在環境での豊富な実績や、IPS/IDS機能なども含めた統合的なサーバーセキュリティプラットフォームとしての強みがあります。
どちらが良いかは、既存のインフラ環境、重視する機能、運用体制などによって変わってくるでしょう。我々の環境では、VMware中心の仮想化基盤とのシームレスな統合と、Instant Clone環境でのセキュリティ運用効率を最重視した結果、電子カルテインフラにはCarbon Blackが最適という結論に至りました。
↑NSX-Tと連携したTrend Micro Deep Securityの自動隔離機能
VDIと親和性の高い、ウイルスソフトも他メーカーさんからも次々と開発されているので、次のリプレイスに向けて情報収集はすでに開始してますよ。
2025年10月9日木曜日
物理ストレージからの脱却!vSAN導入で得たコスト削減と運用の勘所
VDI環境のストレージ選定は常に悩みの種。
パフォーマンス、容量、コスト、管理性…全てを満たすのは難しい。
当院でも2014年のHIS(病院情報システム)仮想化の際に、物理共有ストレージではなく、VMware vSAN(当時はVirtual SAN)を採用しました。各vSphereホストの内蔵ディスク(SSDとHDD)を束ねて仮想的な共有データストアを構成する仕組みです。
最大のメリットはコストとシンプルさ。高価な専用ストレージやFCネットワークが不要になり、初期投資を大幅に抑えられました。ホストを追加すれば容量もパフォーマンスもスケールアウトできる点も魅力です。SSDをキャッシュとして利用することで、ログオンストーム時のIOPSにも十分対応できています。
ただし、運用上の注意点も。ホスト障害時のリビルド(データ再保護)によるネットワーク負荷や、ディスク障害時の交換手順、互換性リスト(HCL)の確認など、従来のストレージとは異なる知識が必要です。とはいえ、総じてライフサイクルコストの削減と管理の簡素化メリットは大きいと感じています。
2025年9月12日金曜日
FSLogix導入効果:VDIログイン高速化とユーザープロファイル管理
VDI環境でユーザーから最も不満が出やすいのがログイン時間。特に移動ユーザープロファイルを使っていると、プロファイルサイズの肥大化でログインがどんどん遅くなる悪循環に陥りがちです。当院でもVDI導入した20年前からこの問題に長年悩まされていました。
途中、View ペルソナ管理(View Persona Management)が発表されましたが、肥大化するプロファイルには焼け石に水でした。
結果、当院ではこの問題はFSLogix(Microsoft買収)の導入で解決しました。FSLogixはユーザープロファイルをVHD/VHDXコンテナとしてネットワーク共有上に保存し、ログイン時にマウントする仕組み。プロファイル全体をコピーするのではなく、コンテナをアタッチするだけなので、ログインが劇的に高速化します。数分かかっていたログインが数十秒レベルに短縮され、ユーザーからのクレームが激減しました。Outlookのキャッシュ(OSTファイル)やOneDriveの同期などもコンテナ内に保持できるため、VDI環境でも使い勝手を損ないません。プロファイルコンテナの管理(容量監視、破損対応など)は必要ですが、それを補って余りあるメリットがあります。VDI環境におけるユーザー満足度向上に欠かせないツールだと断言できます。




