2022年11月30日水曜日

リンククローンからインスタントクローンへ

インスタントクローンはHorizon 7で追加された(Horizon7のかなり後半のバージョン)機能で、ESXi上に高速で仮想マシンのクローンを作成することができます。当院では以前はHorizon6の時代リンククローンで運用してましたが、今回のHorizon8導入を機に、インスタントクローンでの運用に切り替え、来年控えている電子カルテの全面リプレイスでもインスタントクローンの技術を用いて構築しようと考えています。
※Horizon Version 2012より、リンククローンの機能が削除されました。よって今後は、リンククローンの代替機能となるインスタントクローンでの導入が増えてくるものと思われます。

インスタントクローンの導入により、仮想デスクトップのデプロイや更新が高速になります。下図は、インスタントクローンの仮想マシンが作成される流れです。












まず、作成したゴールドイメージ(昔で言うマスターテンプレート)のスナップショットからテンプレートが作成されます。このテンプレートは、マスターイメージが配置されているデータストアと同じデータストアに作成されます。

ゴールドイメージですが、実際にマスターとして私自身が触るのはここです。WindowsUpdateを当てたり、例えばOfficeを2019から2021にアップグレードしたり、新しいアプリを足したり、新しい機種のプリンタが入った場合はドライバを追加したりといった感じの作業をします。

そして、スナップショットをとってテンプレートを作ります。1秒あれば終わります。そのスナップショットを元に展開の元になるレプリカが作成されます。レプリカ作成には15分から20分くらいかかりますが実際テンプレート作って、一気に全部再構築っていうのは運用上やらないかと思うのでここでの15分は無視しても問題ないかと思います。2、3台展開してみて問題なければすべてに適用する感じです。ちなみにウイルスソフトは個々のマシンに入っているわけではなくハイパーバイザーとで一括管理しています。

インスタントクローンが高速に展開できる理由ですが、各ホストごとにペアレントVMというものが作られます。そして、ペアレントVMが、OS起動直前状態で、フリーズさせそのメモリー状態を共有するので高速起動が可能になります。(言い換えると、パワーオンした時点から、OS起動時に必要なメモリーへの読み込みが既に終わったメモリー状態から起動するため、高速に起動できるということです。)










この部分は、実際に使ってみないと体感できないのでこれくらいで割愛します。

インスタントクローンのVDIでのメリットとしては、ユーザーがログアウトをすると即時に仮想マシンが削除され、新しい仮想マシンが作成されます。これにより、ユーザーは常にログイン時にクリーンな状態の仮想デスクトップを使用することができます。

今回は、インスタントクローンの展開の仕組みとリンククローンとの違いを紹介させていただきました。
秋も深まってまいりました、これから寒くなりますので皆様もご自愛くださいませ。

では、今回はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございました。